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最終更新日:2026年4月1日
親子交流とは,離婚後又は別居中に子どもを養育・監護していない方の親が子どもと会ったりするなどの交流を行うことです。自ら子どもを監護していない親(別居親)は,親子交流をすることができます。以前は面会交流と言われており,平成24年3月以前は面接交渉と言われていましたが,令和8年4月施行の民法改正で「父又は母と子との交流」という表現がされ,令和8年4月施行の家事事件手続法で「親子交流」という言葉が用いられるようになりましたので,今後は,親子交流という言葉が定着していくと思われます。
親子交流は,離婚により親権者とならなかった側の親と子どもとの親子交流の問題が多く存在しますが,離婚前に別居している夫婦で子どもと一緒に暮らしていない側の親の親子交流,認知をした父と認知された子との親子交流もあります。
親子交流については,以前は民法に明確な規定がなく,判例でその権利が認められていました。平成23年成立・平成24年施行の民法改正では,離婚のときに,「父又は母と子の面会及びその他の交流」について協議で定めること,協議が整わないときは家庭裁判所が定めることが規定されました。この改正がなされた原因には,親権者にはなれなかったけれど,子どもにはどうしても会いたいというお父様方の努力もあったと思います。
以前は,親子交流は親の権利なのか,両親から愛情を受けて育てられることが子どもの権利なのではないか,という問題提起もなされていましたが,民法改正で,子どもの利益を最も優先して考慮しなければならない旨が規定されましたので,親の権利でもあり,子どもの権利でもある,子どもの権利の方が強い,という理解になるものと思われます。ただ,子どもの権利だと言ってみても子ども自身が権利を行使できるわけでもなく,子どもの権利の実現は,子どもの法定代理人である親権者(同居親)によってしかなしえません。しかし,親権者(同居親)は,親子交流を手助けすることも,妨げることもあるというのが実態です。親権者(同居親)の感情が,子どもの権利実現に向かうよう,調整していくことが重要になります。
親子交流の具体的な内容や方法は,子どもの父母が話し合って取り決めることができます。
子どもの養育費と親子交流を取り決める合意書のひな型は,法務省のウェブサイトからもダウンロードできます。
話合いがまとまらない場合や恐怖などから話合いができない場合には,家庭裁判所に調停又は審判の申立てをして,親子交流に関する取り決めを求めることができます。調停手続を利用する場合には,子の監護に関する処分(親子交流)調停事件として申立てをします。
この手続は,夫婦が離婚した場合に限らず,夫婦が別居中で,子どもとの親子交流についての話合いがまとまらない場合にも,利用することができます。
親子交流調停の申立書と記入例は,裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。
親子交流調停の約60%が,調停成立で終了しています。
親子交流調停で合意ができずに調停が不成立になったときには,審判の手続きに自動的に移行し,家庭裁判所の裁判官が,一切の事情を考慮して親子交流を認めるか認めないかと,親子交流を認めるときには親子交流の方法を判断し,決定します。
家庭裁判所の親子交流事件の約9%が,このような裁判官の審判で終了しています。そのうち82%程度が親子交流を認める結果となっています。(令和2年の結果・法制審議会家事法制部会第2回会議の最高裁判所提出資料「子の監護に関する処分事件の事件動向について」に基づく)
離婚調停で離婚の条件を話し合うときには,その離婚調停の手続きの中で,離婚後の親子交流の方法を取り決めることができます。
しかし,離婚調停は,合意ができなければ,不成立(不調)となって終了します(その後は,離婚を希望する側が,離婚裁判をするかどうかを決めることになります)。そのため,離婚調停で親子交流の話をしていただけのときには,離婚調停の終了とともに,親子交流の話合いも終了してしまいます。
そのため,早期に親子交流をしたいという場合には,離婚調停中であっても,離婚調停とは別に親子交流調停の申立てをすることが大切です。
親子交流の話合いでは,概ね,次の項目を,話し合って,取り決めていきます。
親子交流調停では,裁判所が第三者の立場で間に入って,子を養育・監護していない親が求める子との親子交流がそもそも認めてもらえるのかについて話し合い,子を監護・養育している親が親子交流の実施を検討してもよいと考える場合には,その回数,日時,場所などといった具体的な内容や方法についても話し合うことになります。
子どもとの親子交流は,子どもの健全な成長を助けるようなものである必要があるので,調停手続では,子どもの年齢,性別,性格,就学の有無,生活のリズム,生活環境等を考えて,子どもに精神的な負担をかけることのないように十分配慮して,子どもの意向を尊重した取決めができるように,話合いが進められます。また,親子交流の取決めに際しては,面会等を行う際に父母が注意する必要のある事項について裁判所側から助言されることもあります。
心理学・社会学に詳しい裁判所職員である家庭裁判所調査官が,親子交流調停事件の約75%に関与し,調査活動を行っています。調査官は,調停期日以外の日に夫婦それぞれに面談して事情聴取をすることもありますし,家庭訪問で子どもと面談をして子どもの気持ちを調査することもあります。裁判所の「児童室」という部屋(写真と説明が裁判所広報誌「司法の窓」の記事に掲載されています)で実際に親子交流を試してみて(親子交流の試行的実施),子どもの様子を調査することもあります。
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裁判所・国の親子交流(面会交流)に関する考え・指針は,原則として,親子交流をさせた方が子どもの安心感・自信につながり,子どもが生きていく上での大きな力になると捉えています。
これを明記したパンフレットも作成・配布されていました。
そのため,裁判所は,直接の親子交流(面会交流)を認めるのが原則という考え方で,調停・審判を運営していました。
裁判所の立場から見ても,親子交流が子どもにとって有害なときにだけ,例外的に制限がなされ,子どもを監護している親が親子交流に反対していても,正当な理由が示せなければ,親子交流をさせるよう強く説得されてきました。
最近ではこのような運営方法を変えようとする動きもあり,現在の国のパンフレットの表記は「適切な親子交流は,こどもの健やかな成長と幸せにつながると考えられます。ただし,親子の安全・安心を確保することができないなど親子交流が子の利益に反する場合には,無理な親子交流は相当でないと考えられます。」というものになっていますが,現在も,このような運営が広く行われています。
日本の裁判所が認める親子交流は,月に1回が多いと言われています。親と子どもの会う機会を確保しますよという程度では,子どもが親からの愛情を受けて育つというのには不十分と言えるでしょう。なお,1回の時間は,2時間以下,2時間超で区分すると,2時間超が7割程度のようです(法制審議会家事法制部会第7回会議の木村匡彦幹事の発言にある東京家庭裁判所の調査結果)。
実際に親子交流をするには,子どもを監護している親が,親子交流に協力する必要があります。しかし,子どもを監護している親は,自分の有利な立場を利用して,他方の親に対する子どもの愛情を遠ざけようとするおそれがあると言われています。親子交流の実施に際しての精神的負担,時間的負担もあります。日本では,裁判所で親子交流の方法を取り決めても,裁判所の関わりは取り決めをしたときに終わりになってしまうため,親の感情・負担の調整ができず,親子交流が続かないことも多いです。
裁判所は,親子交流を禁止・制限する事情の有無の見極めに1〜2回,その後親子交流を阻害している要因の把握に2〜3回,その後に3〜4回を使って親子交流方法の調整助言という進行を考えているようです。
統計上も平均審理期間は9か月を超えています。
早くても3〜4回程度(4〜6か月),標準的には5〜6回程度(8か月~1年)で親子交流の取り決めをする手続きと理解しておくと良いでしょう。
子どもは,自分を育ててくれている親の態度に敏感で,その気持ちを察してもう一人の親に会いたくないと言うものですし,そうしているうちに本当に嫌いだと思うようになってきてしまいます。夫婦は離婚すれば他人でも,子どもは父と母の血を引いた立場です。信頼・尊敬できる父と母の血を引いているのか,嫌いで否定すべき人間の血も引いていることになるのか,どちらが自尊心を育むことになるかは明らかでしょう。
実際に私が読んだ「離婚家庭の子どもの気持ち」という本では,離婚した家庭の子どもたちから聞き取り調査をしているのですが,子どもたちの気持ちは離れた親と会わせてくれた場合の方が,満足感があり,成長するとそのように会わせてくれた一緒に住む親(親権者)の寛大な対応を尊敬している様子が発言の中で現れていました。ですので,子どもを引きとった親は子どものために離婚後の相手方と会わせる努力を寛大な心でして欲しいと思います。そうすることが,ひいては子どもが自分は両親に本当に愛してもらっていると実感できて子どものためになり,うちのお母さんはお父さんと会わせてくれるいいお母さんだと安心感と尊敬を持って成長をできることで,一緒にいる親にとっても育てやすさにつながると思います。
両親の離婚後,親子交流が比較的良好になされていた「かつての子ども」さんが,大人になってから受けたインタビュー結果でも,親子交流を通じて親からの愛情を受けとめていたことが発言の中から表れているものが多いです。
「養育費も要らないから会わせたくない」「養育費をもらっていないから会わせなくてもいいでしょ?」という質問もよくお受けしますが,今までお話ししたとおり,子どものための交流なので可能な限り,会わせてあげて欲しいというのが私の気持ちです。ただ,養育費も子どものための大事な権利,先ほどの本でも子どもたちは成長すれば,離れている親が払ってくれた養育費のおかげで学校に行けたことなどちゃんと理解できます。親子交流を円滑にするためにも養育費は必ず払うよう努力してほしいと思います。
「子どもが会いたくないと言っているから」会わせないという話もよくお聞きします。確かに相手方の親から虐待されている場合など本当に交流させられない場合もあるのですが,そういうようなケースでない場合はやはり一緒にいる親に気を遣っていることも多いものです。子どもが,一緒にいる親のことを大好きなのは当たり前ですし,その親に嫌われたら生きていけないのです。子どもはとても敏感ですから,一緒にいる親が嫌がりそうなことはなかなか言い出せないと思います。やはり人間は自分はどうして生まれたのか,自分の血がつながっている親はどんな人なのかというものに全く興味がないことは考えにくいです。ですので,今は「会いたくない」と言われても,いつでも会いたいときは言っていいんだよ,というメッセージを伝え続けて欲しいと思います。実際に私が体験した事例では子どもが離れた親に会いたいけれど言い出せず,黙って会って後で分かってかえってもめてしまったという経験もあります。予め会ってもよいということを伝えておけば,そのような気持ちに子どもがなったとき,まずは一緒に住む親に相談し,会い方を決めながら進めていけると思います。
諸外国では,親子交流を支援し,安全に実施する公的な取組みがあり,予算も投じられています。暴力を防ぎながら親子交流させる施設・組織が作られていたりもします。オーストラリアでは,親子交流について取り決めないと離婚できないのが原則となっています。
日本では暴力を防ぎながら会わせる制度が整備されていないので,配偶者暴力を受けていた母親に自分の身体の危険を冒して子どもを会わせるようには私もなかなか言えません。そのような事案でなくとも,協力関係が築けない両親だけで子どもを会わせようとすれば,その場で喧嘩になったり,子どもの奪い合いになったりする危険性もあり,子どもにとって交流がよいものとならない可能性も高く,親子交流は確かに難しいと感じます。
日本でも最近は親子交流を支援する機関も現れるようになりましたが,有料であり,数も少なく,利用条件も様々あることから,なかなか利用しづらいのが現状だと思います。他の国のような支援制度が進んでいくことが望ましいと思います。
親子交流をさせないことにより子どもがつらい思いをしていても,会わせたくないという気持ちから,親子交流を拒否する親もあります。しかし,子どもを強制的に連れ出してきて会わせることなどできませんし,仮にできたとしても,それによって親権者が精神的に不安定になったりすれば,子どもにとってより不幸なことになります。
正当な理由なく親子交流に反対する同居親に対しては,裁判所の調停手続において,根気づよく,調停委員や家庭裁判所調査官から,子どもの幸せのために親子交流をさせるべきであることを説得してもらうことと共に,精神的に安心できる方法をアドバイスしてもらうことも大切になります。
親子交流調停は,とても多く利用されており,申立件数が劇的に増加しています。
当サイトで,「弁護士木下貴子の親子交流調停徹底解説(父親向け)」を連載しました。
弁護士を頼まずに親子交流調停をすることをお考えの父親の方が,ご自身で親子交流調停を進められるよう,解説しています。
ぜひ,ご一読ください。
親子交流は,「子どもの利益を最も優先して考慮しなければならない」とされています。
そのため,子どもの利益に反する場合(裁判所では「子の福祉を害する」という言い方をしたりします)には禁止・制限されることがあります。具体的には,子どもに対して虐待行為(身体的な暴力,性的暴力など)があり,子どもが別居親を怖がっている場合には,親子交流の拒否が「正当」と認められることも多いです。また,子どもを連れ去るおそれがある場合や,再婚相手との新しい家族の信頼関係構築のために親子交流による精神的混乱を避ける必要がある場合などに,親子交流が制限されることもあります。
親子交流調停では,裁判所は,親子交流の方法を調整する前に,このような親子交流の禁止・制限事由の有無の見極めを行っています。
「モラハラ」(精神的暴力)の場合には,子どもへの影響が「直接的」なものでないため,親子交流拒否が簡単には認めてもらえません。詳しい対応方法については別記事「モラハラを理由に親子交流を拒否できるか」をご覧ください。
親子交流が本当に子どものために必要か,悪影響があると言われるのはどのような場合か,親子交流が困難な事例で子どものために利益となる親子交流をするために意識すると良い点については,ブログ記事「面会交流は本当に子どものために必要か?」を参考にしてください。
また,正当な理由なく親子交流を拒否するとどうなるかについては,別記事「親子交流を拒否すると訴えられるか」をご覧ください。
法的な権利・義務と言えなくても,子どもとの交流のあり方については,(元)夫・妻のことを子どもの前で批判しない,親子交流のときにプレゼント攻勢をしない,など,子どもの健全な成長のためになすべきことがあります。
ウェブ上の情報として,次の情報が参考になります。
特に,親子交流をしたい方が,こうした留意事項に違反すると,裁判所の手続きで,親子交流を認めてもらうこと,回数を沢山認めてもらうことが難しくなっていきます。
親子交流を継続するためには,監護・養育している親(同居親)との生活状況を尋ねたり,その行き届かない点を指摘したりするよりも,祖父母のように接する,子どもが楽しく,息抜きのできる時間とすることが大切とされています。詳しくは,ブログ記事「離婚の子どもへの影響・親子交流継続のヒント」で紹介しています。
調停・審判で決められた親子交流のやり方が守られない場合には,裁判所を通じて守るよう請求していくことになります。
子ども自身が会おうとしない場合は子どもにも自由がありますので無理強いはできませんが,調停や審判で決められた場合に監護している親が会わせないようにしている場合には,履行勧告の手続,強制執行の手続があります。
強制執行の手続が使えるかどうかは,どのような「条項」でやり方が決められたのかによって異なります。詳しくは別記事「親子交流の間接強制」を参考にしてください。
(弁護士 木下貴子)
多治見ききょう法律事務所では,次の支援をしています。
離婚手続きと同時に,親子交流を求めたい場合,離婚サービスの中で,親子交流の取り決めについても支援しています。サービスの詳細については,「多治見ききょう法律事務所の離婚サービス詳細」のページをご覧ください。
離婚手続きの前や離婚したくない場合であっても,親子交流を求めることは可能です。また,離婚成立後に改めて親子交流の申立てをすることもできます。父と母だけで話し合いができないときには,家庭裁判所の親子交流調停をするのが適切です。
多治見ききょう法律事務所では,親子交流調停のご相談,ご依頼をお受けしています。
詳しくは,電話でご予約の上,ご相談ください。
相談は予約制です。電話またはメールにてご予約ください。
多治見ききょう法律事務所の弁護士が親子交流について,代理人として書面作成,調停参加します。
弁護士が,資料のコピーや相談記録を保管し,ご相談にも応じます。
岐阜県東濃(多治見市,土岐市,瑞浪市,恵那市,中津川市)・中濃(可児市,美濃加茂市,加茂郡,御嵩町)地域の離婚・親権・養育費・親子交流の問題で,弁護士をお探しなら,多治見ききょう法律事務所(弁護士木下貴子)にご相談,ご依頼ください。
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